深夜の小話
1999・10・26 第5話「出会い系」
 
 あぁ、やっとここまでたどり着いた。破壊されていたパソコンが何とか動いてくれている。
 パソコンが正常に動いている、こんなうれしいことは無い!既製品を使っている人はこんな想いをする機会が少ないと思うが、自作ゆえの儚さよ、明日はどんな風が吹くのか・・。
 とりあえず、復活を記念した(不完全やけど)第1発目の小話の始まり・・。
 
 最近ろくな事がない。風邪をひくわ、仕事忙しいわ、金無いわ。故に遊びにも行けない。 「何や、たいしたこと無いやん。もっと不幸な出来事があるのかと思った。」 こんな声が聞こえてきそうだけど、何気ない 「幸と不幸」 が人生を面白くするものだ。そういえば、いつかの占いで言われたことがあった。 「波乱万丈な人生ですけど、それはそれでドラマチックですよ」 ん〜・・・全然うれしくないぞ!まぁ、そのような理由から最近は「ろくなことが無い」のである。いや、なかったのである。
 
 10月の初旬だったか(?)、深夜の5時ごろ(というよりも朝?)、あるドライブの帰りだった俺は南のほうから金閣寺方面に北上する形で車を走らせていた。平日だったので一刻も早く床に着きたかったのだが、何てったってまともな感覚で運転しているわけは無いと思い雨が振り出したのも加勢してのんびりと運転をしていた。
 すると何やら前方で工事をしている。しかもオッサンが 「とまりなさい」 といっている。いつもの私なら 「何しとんじゃい、こんな夜中に! そんなん冬にせぇ、冬に!」 と、寒さゆえに交通量の少なそうな冬を大抜擢した上で(自分が冬を嫌ってるだけやけど)車の中で文句を言っている。その辺はみんなと一緒だ。
 しかしその日は牛乳でも飲んだのか、やけに落ち着いていた。御仏であった。 「いやぁ、ごくろうさんやねぇ。お疲れお疲れ!」 そんな労いの言葉を心の中でつぶやきながら、不意にオッサンが飛び出してくるのではないか?という不安にかられた。
 虫の知らせ。そんな言葉を思い出してしまう時は絶対に何かあると思ってしまう。その辺はみんなと一緒だ。
 やがて、オッサンがGOサインを出した。バックミラーには数台の車が映っていた。 「君ら、何時やとおもてんねん」 この中で今日会社に行く人は何人やろか?まさか自分だけやないやろな・・。 そんな事を考えながら徐行で30m程の工事現場を横切る。結構長いのである。
 そしてその工事現場の終端を通過しようとしたそのとき、1台の車が対向車線を走ってくるのが見えた。私は今、片側1車線の(合計2車線)の道のちょうど右側を走っている。つまり、アメリカンなわけである。今現在対向を走ってくる車は、とどのつまり自分と一直線上にいるわけである。簡単に言うとぶつかるのである。あかんのである。全然あかんのである。
 対向の車はカーブが終わって間も無いところに工事現場があったため、まったくオッサンに気づかず、こっちに向かって突進してきた。
「あっ、ジャンプしたい。」 そんな願いもむなしく、車は正面から特攻してきた。ハンドルを握りしめ身構える!どちらかによけるかもしれない、と思いそいつの動きを見ていたがまったくこちらに気付く様子はうかがえなかった。寸前にブレーキ音が鳴り響いたのが聞こえたが、次の瞬間 「がんっ!!」 という音とともに俺は意識を失った、・・・・・・・・と言いたいところだが、俺は膝をすりむいただけだった。無傷といってもかまわない。あぁ、なんか盛り上がりに欠けるから嘘でもついてしまおうか?おかあさん、丈夫に育ててくれてありがとう。息子は今日もがんばって生きています。そしてこれからも・・・。
 
 俺が無傷でも、車はそうはいかない!なんだか 「ガリガリ」 と変な音もする。相手のニィチャンも降りてくる。見るからにヤンキーだ。どうやら相手の車も軽自動車だったので俺は助かったらしい。ダンプだったら死んでたかも。
 
 ここは舐められてはいけない!一発気合でもかますか!、と思ったら俺様はすごいカッコをしている。べろべろのTシャツに短パンをはいて傘を差している・・・・。(しかも膝に傷あり) なんて気合の入っていない格好なんだ!! これでリュックを背負って、おにぎりでも食おうもんなら、かの有名な山下画伯に間違えられそうである。 「先生!」 なんて呼ばれた日にゃあ10対0で俺の負けである。
 
 と、まぁ気合をいれたにも拘わらず、そのニィチャンはきちんと誠意を示してくれ、やたらと車に詳しいなと思っていたらタダの中古車屋のニィチャンであった。(元ヤンではあると思うが・・・。)
 
 後日、相手の保険屋と交渉の末、(無理やり?)10対0で俺様の勝ちとなった。以前に査定0円と診断されたオプティ号は35万の値段がついて、現在新谷家の愛車はミラに変わっている。
 そのニィチャンが店頭でオプティを売っているかは俺にもわからない。ほんとにわからない。
 その辺はみんなと同じだ。
 
 
PS.  またもや後半ウダウダになってしまった・・。でもええねん!どうせ文章力無いし!だからええねん!!
    はぁ、もう寝ます。じゃあ、みんなおやすみ!またあいましょう!