「深夜の超うん小話 〜爆裂篇〜」

俺はウンコに毎日3回くらい行く快便君や。
先輩の浅井さん(45歳)は切れ痔の便秘やから、かなり俺のことが羨ましいらしい。
浅井さんは、まずウォッシュレットの付いてるトイレを好む。
出張なんかがある時、ホテルのトイレがウォッシュレット付きなら、便器の前でガッツポーズしてるらしいから。
アンタは551の蓬莱か!?
「ある時ぃ!」みたいなリアクションやね。
もちろん「無い時」は雨が降るんやろうけど・・・。
そんな浅井さんはウンコをする時まず、業界用語で「ケツを割る」と言う作業をする。
この「ケツを割る」と言うのは、まぁ切れ痔のウォーミングアップみたいな作業。
ウォッシュレットを最強にして、ケツを割る。
そして、その勢いで今度は引き水をする。
これはもちろん便秘対策である。
ある程度体内でウンコを潤滑させ、そして一気にうんばばぁー!!をするのである。
なかなかのIQを感じる瞬間である。

おっといきなり話題が逸れてしまった。
本題に戻す。
俺が中学一年の正月に、友達と4人でキャンプに行った。
1月の4日という、まだまだ正月まっさかりの冬の日のこと。
行ったのは「くつわ池キャンプ場」という、俺の嫌いなキャンプの出来る施設である。
本来キャンプは、普段は泊まれない(とも思わない)場所でするのが王道だと思うからだ。
キャンプ場なんて、キャンプ出来るやん!
泊まれるようになっているのなら、俺はホテルに泊まりたい。
そんな中途半端は嫌いだ。
基本は野グソであり、自然とのふれあいなのだ。
俺は大雨の中、どうしてもウンコがしたくなって、傘を差しながら野ぐそをした事がある。
あの時、土砂崩れでも起こしていたら俺はフルチンのウンコまみれで発見されていただろう。
だからガスコンロなんて持ってきてる奴が居るなら無性に腹が立つ。
家で飯食えっちゅうねん!!
おしゃれにアウトドア派を気取らないで欲しい。
レジャー用品売り場!?
やかましい!
どうせなら「レンジャー用品売り場」にしろ!!
そういえば浅井さんは昔、キャンプに生きた鶏を連れて行ったらしい。
後は・・・わかるよな?

まぁ、そんなキャンプ場で2泊3日の楽しい時間を過ごした。
誰も居ない山奥のキャンプ場と言うのは、結構自然と打ち解けられる。
空気が冷たく綺麗だから、星がメッチャ多かった。
すばらしい!の一言に尽きる。

そして最終日、帰り支度をしている最中にふと、気が付いた。
衝撃の事実。
「俺は3日間、ウンコをしていない・・・。」
信じられなかった。
あまりの楽しさに便意を忘れていた。
悪寒が走る。
木々がざわめく。
冷たい風がいっそう冷たく感じられた。
3日間で食い尽した食料は、今や俺の腸の中。
何故、誰も教えてくれなかったのだ!?

と言っている間に下校の時間である。
行きは辛かった上り坂を、今度は逆にテクテク降りて行く。
しかし、どうやらテクテク降りてきているのは俺達だけでは、なさそうである。
1歩ずつ踏み出す不安と影。
その不安が的中したのは、そう遠い未来でもなかった。

「ウンコをたれる」
そんな言葉を振り払うかのように歩いた。
何故バスを待たなかったのだろうか?
いや、30分もバス停で待つ勇気はなかった。
しかし誰が駅まで歩こうと言ったのだ!?
とうにバスは俺達を追い越して行った。
後、駅までどれくらいあるのだろう?
テクテク歩いてく。
今は歩く事しか考えられない。
便意という波に飲まれそうになるのを必死でもがいた。
誰がなんと言おうと、「ギブアップ」だけはするわけにはいかないのだ。

ようやく駅に到着した。
今は何とも無い。
便意の波は、今は引き潮らしい。
なんとも良かった。
少し安心していたのも束の間、友達が叫ぶ。
「あっ、もう電車でるで!」
!!
こんな辺鄙は駅で、電車の待ち時間が無いと言うのは非常にラッキーだ!
しかし今は自分の体に爆弾を抱えている身分。
ここで選択を迫られる。
ウンコが先か、電車が先か?
迷っている時間は無かった。
電車を乗った瞬間、後悔した。
いまや、便意と戦っているのではなく、まぎれもなく自分と戦っている男が車窓に映っていた。

ようやく京都についた。
今から後20分程、歩かなければならないことよりも、乗り継ぎの最後に乗った地下鉄から降りる事が出来、地上に這い上がれた事の喜びの方が強かった。
なんという開放感!
しかし、下の栓は開けるわけにはいかない。
今まで何の為に我慢してきたか分からなくなる。

次第に家が近づいてきた。
途端に便意の神が猛威を振るう!
とっくにケツはギブアップ宣言している。
今はもう、気力だけで立っている状態。
バーちゃんの「おかえり!」という言葉も無視してトイレへ!
げっ!
ジーちゃんが入っている!!
叫ぼうか!?と思った瞬間に、トイレからジーちゃんが出てきた。
メッチャくさい!
しかし今日はそんな事、どうだって良い事だ。
至福のとき。

「ドン!」という音で俺の便意が消えた。
ん?一撃!?
もはやギネス級のウンコの早さである。
なんにしろ良かった、良かった。
あぁ、トイレがこんなにも愛しい。
下を見ると数字の「1」の字が・・・。
なんとも見事な一本グソである。
ハッキリ言って、こんなにデッカイウンコを見たのはこれが最初で最後かもしれないな。
思わず写真を撮ろうかと思ったほど。
それなりの処理をして、後ろ髪を引かれる思いでレバーを下げた。
「ジャー!」
和式のトイレだから水が流れる姿がよくみえる。
勢い良く流れる水。
その水はウンコの横をものすごい勢いで通りすぎている。
!?
そうである。
全然流れてないのである。
どうしようと思う間もなく、水は勢いを弱め静止する。
駄目じゃん!
なるほど、本体が「1」なんて形状をしてるもんだから、ちょうど水の抵抗を受けないのか?
そう言えば流線型だ。
で・・・もう一度挑戦。
「ジャー!」
また駄目だな。
このまま流れなかったら、どうしよう?
やっぱり最後は「手掴み」という最終手段を選ばなければ成らないのか?
それはいやだな。

なんてことを考えていると、ようやくウンコは動き始め「2」くらいには成ってくれた。
よかったよー。(しくしく)
その後何回かの試行の末、ゴールイン!
ダブルボギーどころやないな。
キャンプに行ったときの写真は無いけど、今でも心のネガにしっかりと焼き付いている。
これからもそんな想い出を増やして行きたいなぁ。
(何を綺麗にまとめようとしとるねん!!)
汚い話でごめんね。
今更やけど・・・。