卒業研究 ダストプラズマクーロン結晶の生成


我がSST-LABの前にも写真が貼られているクーロン結晶(これ↑)ですが、この写真が撮影されたのは2001年3月です。(現在2015年)
実験に使っていた13.56MHzの高周波発振器が逝ってしまい、それ以降は直流やkHzくらいの周波数で実験を繰り返したものの、ついに一度も成功しなかったようです。
直流や低周波では無理ということはないと思いますが、今年は高周波発振器を製作することにしました。
何年か前のテーマがトラ技の2005年2月号に載っている13.56MHz、150WのE級高周波アンプの製作でしたが、結局うまく行かなかったみたいです。
でもどうせ作るならということで、その次の号に載っている13.56MHz、500Wの方を製作しました。石もプッシュプル用が揃ってたし。

こんなんできました。でもこれはアンプなので単体では何もできないんですよね。
入力には5W以上の電力を出力できる高周波発振器が必要だと記事に書いてありますが、それについては作り方なんて載ってないので、そっちの方が難しいかも。

そしてこんなんできました。アマチュア無線関係の資料(Web上)が大いに役立ちました。
最大出力電力は9.5Wでした。A級なので効率は30%くらいです。アツいZE!
これを使ってアンプ回路を駆動しようとしたところ、5Wで動くって書いてあるのに8.5W突っ込まないと動きませんでした。5Wしか出ない回路作ってたら大変だった。
入力の整合用コンデンサの値を調整するんですが、値がちょっとおかしかったので入力トランス周辺の何かをミスってる様子(つまり私が悪い)。でも動いたからいいや
50Ω負荷で試験をしたところ、最大出力電力は600W、効率は86%でした。出力電力が数十W程度では効率60〜70%でした。出力電力が大きいほど高効率です。

試験に使ったダミーロードも自作です。5.1kΩの抵抗を100本並列にして油漬けにします。
次にインピーダンスマッチング回路を製作しました。幸い森口氏の卒論にマッチングBOXの回路図が残っていたので、それを再現することにしました。
高耐圧バリコンもコイルも入手できないので真鍮板を切って作りました。これが一番大変だった。羽を50枚以上切り抜いて、等間隔になるよう調整して…


もうマヂ無理。。。実験しょ。。。
正直発振器できたら普通に実験成功するんじゃないかと思ってたんですが、できませんでした。

2012年度製作の電極 リング電極にもプラズマができてしまってうまく行かなかった
結局、昔のスパッタ装置に近い電極を作ってみることに。
配線が燃えたり感電したり真空チャンバー改造したり電極5種類くらい作ってみたりしていい加減時間がなくなってきた2月初旬…

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
真空度は70Pa、進行波電力30W、反射波電力1.6W(SWR1.6)でした。結晶全体の幅は約9mmです。
一度できてしまえば何回でもできます。大して真空引かなくていいので5分もあれば一回クーロン結晶作れるようになりました。
最後に、真空チャンバー内にエタノールを入れた時のクーロン結晶をご覧下さい。

画像をクリックすると、見やすいようにシャープにした画像が出ます。
↓完成した高周波発振器の外観と内部の画像↓


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