微分散乱断面積とは?
Differential Scattering Cross-section
('98年度 須田一史)
標的原子(Target Atom)Aと衝突した入射粒子(Projectile)Bはその結果
色々な方向へその進行方向を曲げられる。簡単のために標的原子Aは丸いとする。
入射粒子Bの入射方向を座標のZ軸とし、入射粒子Bの遠ざかってゆく方向は
そのZ軸から測って角度θの方向とする。標的原子Aは丸いので散乱の様子は
角度θのみに依存する。(Z軸のまわりに軸対称である)標的原子Aと衝突して
角度θの方向へ一秒間に出てくる入射粒子Bの数をJとする。これは当然θが
変われば変わる。このJも入射粒子Bの入射フラックスjに比例する。その
比例係数をσ(θ)とおいて、これを角度に対する『微分断面積』と呼ぶ。
すなわち、フラックスjでやってきた入射粒子Bが標的原子Aと衝突して角度θ
の方向へ出てくる数は毎秒j×σ(θ)個となる。σ(θ)をあらゆるθについて
足しあわせる(積分する)と衝突断面積Qになる。この意味でσ(θ)を『微分』
断面積と呼ぶ。
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