電離真空計



by (97年度、森田晃敏)
電離真空計は電子ビームによりガスをイオン化し、そのイオン電流を測定することにより真空度を 測定するものです。下の図は代表的な電離真空計でベヤード・アルパート型と呼ばれるものです (通称 BA ゲージ)。 まずフィラメントに通電して加熱し、熱電子を放出させます。フィラメントとグリッドの間に 100〜150V程度の電圧をかけることによって電子を加速し、ガスに衝突させます。 ガス分子中の電子が弾き飛ばされるとガス分子はイオンとなります。 このときコレクタに流れ込むイオン電流は 単位体積中に含まれるガス分子数 n に比例しますから PV=nRT の公式から、体積 V と温度 T が、 一定であれば圧力 P に比例した電流値が得られるというわけです。この真空計を動作させるためには フィラメント電源、電子加速用電源、熱電子がコレクタに入らない用にするためのバイアス電源、 電流計が必要で、これらを一まとめにして真空計コントローラとなります。


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