by(97年度、新谷昌弘)ネットワーク上に一台のサーバーを置き、多くのクライアントコンピュータから これにアクセスして利用するデータベースシステムを考える。 データの種類にも依るが、具体例として 本研究で作成した阻止能断面積のような計算式とパラメータがセットになっているようなデータに対する システムの構成を例に取ると、大きく分けて以下の3種類が考えられる。
これらの方式の中でサーバーのハードディスク容量、CPU負荷等に関して三番目の方式が最も有利である事は 明らかであろう。問題は、ネットワーク上には Windows, Mac や各種 UNIX 系 のマシンが混然一体となって ぶら下がっているということである。つまりクライアントへ送る計算プログラムはこのようないくつもの 種類のマシンで問題無く実行できなければならないのである。 今回使用するJava言語はこの問題を解決するための一つの方法である。Javaの実行形式には 二種類あるが、ここで利用するのはWeb ブラウザ上で動作するアプレットと呼ばれる形式である。 ネットスケープ、インターネットエクスプローラ、ホットジャバ等のブラウザが使用できる コンピュータがあればコンピュータの種類によらずにアプレットを実行できるのである。 これによりサーバー負荷を軽減でき、自由度の高い検索システムを構築できるというわけである。
- すべてのデータ(計算結果)をサーバー内に保持し、クライアントから送ってくるキーワード でデータ検索を行い、結果をクライアントに返す。この場合、入射イオン92種類と 標的原子92種類の組み合わせは92×92通りで、それぞれエネルギー依存を 1 keV から 10000 keV まで 1 keV 毎に計算したものをハードディスクに 用意しておかなければならない。
- 計算プログラムとそれに用いるパラメータをサーバー内に保持し、クライアントから 送ってくるキーワードに関係するパラメータを選び出し、それを 用いて計算した結果をクライアントに返す。この場合は先のケースに比べてハードディスクに 用意しておくべきデータ量は激減するが、同時に複数のクライアントがアクセスしてきた場合に サーバーの負荷が大きくなり、レスポンスが劣化する。
- 計算プログラムとそれに用いるパラメータのセットをクライアントに送り、 クライアント自らが計算を実行する。