森本型トランジスタとは?
('98年度 森本慎也)
森本型トランジスタは電気炉、ガス反応器、注入装置などをまったく使用せず、
真空蒸着装置のみで簡単に作成できる学習用トランジスタとして
発案された。これは金属−半導体接触によるショットキー障壁ダイオードを基礎としており、
3端子ショットキ−障壁ダイオードと呼んでもよいであろう。
n型森本トランジスタ(n−MT)の基本構造を下図に示す。
n型Siウエハの鏡面側にAuを、裏面にInを真空蒸着する。
この場合Au側がショットキー接触、In側がオーム性接触となる。
ショットキー接触電極をカミソリの刃等を使って二分し、エミッタ及びベース電極と
する。勿論どちらをベースとしても良い。裏面のIn電極がコレクタ電極となる。
これでできあがりである。
コレクタ−エミッタ間に逆バイアス電圧を印加しても
ショットキー障壁のため電流は流れないが、この状態でベース−コレクタ間に
正の電圧をかけるとショットキー障壁の高さが低くなり逆方向電流が流れるように
なる。この逆方向電流の大きさはベース電流により制御することができる。
実際の特性評価実験においてはエミッタ−コレクタ間にカーブトレーサを接続して
行うと良い。なお、この時コレクタをカーブトレーサのGND側端子に接続しないと
ベース電圧と共に特性曲線がシフトしてしまうので注意すること。
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