電子の原子散乱振幅とは?


('99年度 平田裕記

散乱とは、波が粒子や物質にあたり、その進行方向が色々な方向へ変化する現象である。
例えばE[eV]のエネルギーを持つ電子が原子に衝突したとすると、 電子も波動であるから散乱する。電子の入射方向をz軸にとると散乱波は、

Ψ(r)=exp(ikz)+[f(θ)/r]exp(ikr)

となる。ここでk(=2π/λ)は波数、rは原子のポテンシャルの中心からの距離である。 このとき第2項が散乱波であり、f(θ)が散乱波の振幅である。また、θは入射方向を 極軸として測った散乱角である。
散乱振幅の2乗は散乱の微分段面積を与えるので、散乱後に電子がどの角度にどの程度の確率で でてくるか を知るために散乱振幅は重要な情報である。



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