1.テーマ

分子動力学法によるZr/W(100)の表面再構成のシミュレーション

('98年度)安雲


2.概要

タングステンは融点が高く、高温にも耐えられるので 電子が取り出しやすく、電子銃の電子源として広く 用いられている。
そのタングステンの電子をより取り出しやすくするために タングステンの仕事関数を下げてやることがしばしば行われる。 その方法として、アルカリ金属をタングステン 表面に蒸着させて仕事関数を下げる方法があるが アルカリ金属では融点が低いために、すぐに蒸発 してしまうので、用途に応じてジルコニウムが用いられる。
ジルコニウムを酸素雰囲気中でタングステン表面に蒸着 させ、加熱すると ジルコニウム原子はタングステンの中に拡散する。その後、 酸素を排気するとジルコニウムが表面に偏析し、被覆層を 形成する。この被覆層が何らかの損傷を受けると ジルコニウムが内部から出て来て、 常に表面第1層だけが、ジルコニウム薄膜の状態になる。 これを自己修復という。
この状態の時の表面構造が温度(熱エネルギー)によって、 常温だと C(2×4)構造になり、 約1000度で C(1×1)構造に変化する。 この相転移の過程をシミュレーションする。


3.研究方針

C言語で分子動力学法を用いてプログラミングを行い、 更にJAVAに移植して可視化する。 ネットワーク上での利用も検討する。


安雲 政裕

参考文献



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