自然のダイヤモンドは、地中の高い圧力の下でゆっくりと時間をかけて 成長します。実際、初期の人工ダイヤモンドは、高温高圧下で合成されていました。
1980年代に入って、低い圧力の下でも気相成長法と呼ばれる方法で
ダイヤモンド以外の下地の上にダイヤモンドが成長する事が発見されました。
これは、真空容器中でガスを分解、反応させ、下地基板上に堆積させる方法です。
この気相成長法において、反応室内に原子状水素を発生させる
事が重要である事が知られています。
私達の研究室では、反応中に基板表面で生じている色々な原子過程、特に水素原子の 役割に付いて明らかにして行きたいと考えています。そうすることにより、 よりダイヤモンド薄膜の成長過程をより精密に制御することが可能になると 考えます。
ダイヤモンドの応用例としては、現時点では研磨剤、
ドリルなどの切削工具、
スピーカーの振動板などですが、
電子放出源、半導体などへの応用研究が始められています。