SnO2 ガスセンサーとは?


('99年度 松下 大

半導体表面へのガス分子の吸着や反応は、半導体の電気的性質の変化を引き起こす。 これをガスの検出や定量に用いるのが半導体ガスセンサーである。ガス検出方式には 色々あるが、小型普及型のガスセンサーとしては電気抵抗式のものが実用性にもっとも 優れている。SnO2 ガスセンサーはこの方式の代表であり、可燃性ガス警報器 などとして多用されている。ガス検出感度が高く、微量のCOやH2Sなどの測定にも 用いられるのが特徴である。材料としてみたとき、SnO2 は空気中で安定で かつ電子移動度の大きなn形酸化物半導体であり、これがガスセンサーとしての優れた特性 をもたらしている。

動作原理:SnO2 薄膜を作ると、n形半導体であるから、キャリヤとして 電子を含んでいる。この薄膜の表面に酸化性のガスが吸着 すると薄膜表面から電子が奪われ、キャリヤ濃度が減少するために抵抗値が大きくなる。 逆に還元性のガスが吸着するとガスから表面に電子が移動し、ガスは正イオンとなるが、 表面のキャリヤ濃度が大きくなり、抵抗値は小さくなる。この抵抗値の変化でガスの検出を行う。 この抵抗の変化はガスの吸着する表面だけで生じるため、SnO2 の表面積を大きく すると感度が大きくなる。このため薄膜とし、また表面の凸凹が大きくなるよう、焼結材料が 用いられることが多い。

n型 半導体(キャリヤは電子)のガス吸着に伴う電気抵抗の変化



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