X線センサーとは?
('99年度 大江 隆之)
ここではショットキーバリヤダイオードを用いたX線検出について説明する。
逆バイアスをかけたショットキーバリヤダイオードにX線を照射すると、界面の空乏層において
X線により電子−正孔対が生成され(価電子帯の電子がX線のエネルギーを受け取って励起され
伝導帯へあがる)、逆バイアスによって作られる内部電界によって電子は半導体側へ、
また正孔は金属側へ流れるために電流が流れる。
禁止帯の幅、すなわちバンドギャップエネルギーをEg、X線の振動数をfとすると、
X線のエネルギーは hf(hはプランク定数)であるから、このX線の光子が一個
入射すると、hf/Eg 個 の電子ー正孔対を生成する。X線光子が入射するたびに
パルス的に電流が流れるのだが、その電流値Iは電子−正孔対の数、すなわちhf/Egに比例するため、
電流パルスの高さからX線のエネルギーを知ることができる。
また、X線の強度は、単位時間内に飛来する光子の数のことであるから、
単位時間内のパルス数(カウント数)を数えればX線の強度を知ることができる。
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